前回、アカマイのデジタルパフォーマンス管理製品に加わったRUM ベースのソリューションである「mPulse」をご紹介しました。mPulseは、よく利用されるユースケースを想定したダッシュボード(以降、標準ダッシュボード)を多数用意しており、すぐに使えるパワフルなSaaS型のクラウドサービスです。今回は、mPulseをより高度にご活用いただける分析環境「データサイエンスワークベンチ(DSWB)」という付属ツールをご紹介します。
DSWB(データサイエンスワークベンチ)とは
mPulseではWEBパフォーマンスに関する様々なデータを蓄積しており、よく利用されるユースケースを想定した標準ダッシュボードをご用意しています。次のデモサイトで標準ダッシュボードを体験いただけます。デモサイトはこちら
一方、それら標準ダッシュボード以外の軸やチャートでのスライシング、ダイシング、ドリルダウンといった分析が必要になるケースが出てくると想定されます。それらダッシュボードを作成できる環境がDSWBです。お客様がより迅速に、より簡便に、状況の把握と意思決定を行うことを支援するダッシュボードのご提供を目的としています。DSWBを操作してダッシュボードを作成する作業は、弊社エンジニアによるプロフェッショナルサービスが前提となりますが、作成されたDSWBのダッシュボード(以降、DSダッシュボード)はmPulseの画面を通じて、お客様にてご利用することができます。
DSWBのテンプレートダッシュボード
DSWBでも、よく利用されるダッシュボードのテンプレートを多数用意しています。これら以外にも箱ひげ図チャートで可視化したり、デバイス毎、ページグループ毎に軸を変えるなど、お客様の用途に応じて様々なダッシュボードを柔軟に作成することが可能です。
テンプレート一覧
- Activity Impact Score(またはConversion Impact Score)
- Bounce Rate by Date
- Bounces by Load Times
- Concurrent Sessions
- Conversions by Load Times
- Devices
- Load Times and Bounce Rates by Page Group
- Load Times by Dimension
- Performance Treemap
- Referrers and Conversion Rates by Load Times
- Top Landing Pages
- Top Page Groups
- Top Referrers
Activity Impact Score(またはConversion Impact Score)
X軸にページグループ、Y軸にセッションアクティビティ(またはコンバージョン)への影響度スコアリングの2軸の関係性を表します。これにより、単に遅いページを速くするのではなく、お客様のビジネス指標にもっとも影響を与え、且つ、遅いページを優先的に対策するといった意思決定に繋げることができます。
Bounce Rate by Date
直帰率の推移を時系列で表示します。
Bounces by Load Times
ページロード時間における直帰したセッション数、直帰していないセッション数、および、その時の直帰率を表示します。
Concurrent Sessions
同時セッション数とビーコン数を時系列で表示します。
Conversions by Load Times
ページロード時間におけるコンバージョンしたセッション数、コンバージョンしていないセッション数、および、その時のコンバージョン率を表示します。
Devices
デバイス種別におけるビーコン数を時系列で表示します。
Load Times and Bounce Rates by Page Group
ページグループにおける、直帰率とページロード時間の関係性を表示します。
Load Times by Dimension
ページグループにおける、バックエンド時間とフロントエンド時間が占める割合を表示します。
Performance Treemap
次の順にドリルダウンが可能なツリーマップを表示します。
デバイス種別 → 国 → ページグループ → オペレーションシステム(OS) → OSバージョン
Referrers and Conversion Rates by Load Times
リファラーにおける、コンバージョン率とページロード時間の関係性を表示します。
Top Landing Pages
ランディングページのアクセスランキングをパイチャートで表示します。
Top Page Groups
ページグループのアクセスランキングをパイチャートで表示します。
Top Referrers
リファラーのアクセスランキングをパイチャートで表示します。
DSWBが必要となるケース
mPulseでは標準ダッシュボードを用意している他、カスタムダッシュボードを作成できる機能も有しています(これについては別の機会にてご紹介します)。お客様にて操作可能な範囲でも十分にmPulseをご活用頂けますが、それらだけでは満たせない高度な分析が必要になった場合はDSWBが必要となります。
具体的には以下の場合が挙げられます。
- mPulseのカスタムダッシュボードでは作成できないグラフで分析を行う場合
- 集計対象や表示軸の変更、箱ひげ図やツリーマップといったチャートでの分析など
- 異なるサイト横断で集計/分析する場合
- www.example.comとshopping.example.com といった異なるFQDNを持つサイトを横断で集計/分析する場合など
DSWBでのダッシュボード作成作業は弊社エンジニアによるプロフェッショナルサービスが必要となりますので、弊社までご用命ください。
DSWBと標準ダッシュボードとの違い
mPulseの画面では、標準ダッシュボードとDSダッシュボードとを同様の操作で参照することができます。一方、DSWBのケーパビリティとして以下の違いがあることに注意が必要です。
- DSダッシュボードは画面ロードに時間を要する場合があります。
- 画面描画に必要なデータをロードするデータ量や集計の複雑さによりますが、速いものだとすぐに、長いものだと10分程度(内容次第ではそれ以上)時間を要する場合があります。
- DSダッシュボードではリアルタイムデータが扱えません。
- DSWBで参照可能なデータは、1日1回の内部処理で生成されます。これにより最大で直近24時間のデータを表示できない制約がございます。この制約は近いうちに撤廃できるようエンハンスを計画中です。
- DSダッシュボードでは14日前までのデータしか表示できません。
- mPulse標準ダッシュボードでは約13ヶ月前まで表示できます。
まとめ
mPulseは標準のままでも十分にパワフルなツールでありますが、お客様の業務要件に応じて更に高度にご活用いただける「DSWB」を付属しています。DSダッシュボードの作成作業は弊社サービスのご利用が前提となりますが、DSダッシュボードの利用に際して追加費用なくご利用いただけます。WEBサイトのパフォーマンスを管理することでお客様のオンラインビジネスのKPI改善を支援するmPulseを是非、ご活用ください。
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