ECサイトやチケットサイトを運用されている方は、期間限定セールや特定商品の発売、限定チケット販売等のピーク時に、どのように大量トラフィックを処理していけばいいかお悩みの方がいらっしゃるかと思います。
フロントのウェブサイトは問題無く閲覧できるのにバックエンドの購入処理システムのキャパシティが上限に達してしまったり、そもそもウェブサイト自体が閲覧できない状態になってしまったりすると、せっかくの商機を逃してしまう結果となります。
本稿では、そういった課題を解決するソリューション、Cloudlets Visitor Prioritization (VP)をご紹介します。
Visitor Prioritizationの特徴
このソリューション(VP)は、サイトの離脱率軽減を目的としています。
バックエンドアプリケーションの負荷が高くなるようなケースで、トラフィックのコントロールを行い、アプリケーションとウェイティングルームにユーザーを振り分けます。ユーザーフレンドリーなウェイティングルーム体験を提供することで、離脱率を軽減すると同時にブランドにふさわしい体験を維持することを可能とします。
VPはアカマイ経由でウェブサイト全体を配信している場合に追加可能なアドオンモジュールです。VPを適用したページは、設定された確率に従ってアプリケーション(購入プロセス)とウェイティングルームにトラフィックを振り分けます。アプリケーションのリソース状況に合わせて確率の設定を変更することで、キャパシティを超えるユーザーが購入プロセスに進むことを防ぐことができます。
ウェイティングルームのページには、商品説明のビデオやプロモーションコンテンツ等を配置する形となりますが、アカマイのNetStorageに配置して頂くことでウェブサイト側のリソースに負荷を与えないようにすることも可能です。
VPは任意のページにパスや拡張子で指定して適用することが可能ですので、特別な商品のページや特定のカテゴリだけを対象にするといった制御も可能です。また、Cookie等による制御も可能ですので、予め優先ユーザーを定義(Cookie等で指定)しておき、そういったユーザーは必ず購入処理に進むといった処理も可能です。
例1: ECサイト
【Cookie付与条件】
- ログイン時には7日有効な特権ユーザー用のCookieを付与
- 購入ボタン押下時にはログインさせ特権ユーザー用のCookieを付与
- ゲストユーザーがショッピングカートに商品を追加した場合には30分間有効な許可Cookieを付与
例2: チケットサイト
【Cookie付与条件】
- プレミアムユーザーにはログイン時に特権Cookieを付与
- 一般ユーザーはコンサート情報ページ自体を抽選で表示
- 抽選で選ばれたユーザーには30分間有効な許可Cookieを付与
- 抽選ではずれたユーザーには1分間抽選ページ(コンサート情報ページ)へのアクセスを制限し、プレミアムユーザーのプロモーションを表示。
Visitor Prioritizationの設定イメージ
VPの設定は、配信側の設定とCloudlets ポリシーの設定の2つを設定することとなります。配信側の設定としては、ユーザーをどのように識別するかやウェイティングルームの設定等を実施し、Cloudlets ポリシーの設定では、何のCookieを持ったアクセスの何%をウェイティングルームに振り分けるかといった設定を行います。
例としては、以下のようになります。
-
配信側の設定
パス条件等によりVPを適用する範囲と、VPの挙動を設定
【カスタム可能な設定】
- ユーザーの識別方法の設定
- 許可ユーザーのCookie管理設定
- ウェイティングルームユーザーのCookie管理設定
- ウェイティングルーム設定
- ユーザーの識別方法の設定
- 許可ユーザーのCookie管理設定
- ウェイティングルームユーザーのCookie管理設定
- ウェイティングルーム設定
特定の条件に対するウェイティングルームへの振り分け確率の設定
Cloudlets ポリシーの内容を変更し、その設定を反映させる場合、所要時間は30秒から1分程度となりますので、アプリケーション側の負荷を監視しながら動的にポリシーを変更していくことが可能です。
VPはOpen APIを利用して設定変更することも可能なため、以下のようなご利用方法をとることで、自動化したピークトラフィック対応処理も実現できます。
期間限定セールや大規模なセールスプロモーション、新製品や限定チケットの発売等を行われる場合には、是非Visitor Prioritization (VP)の導入をご検討ください。
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